オフィスワークや事務で用いるエクセル(Excel)は、FXの自動売買としても活用できます。
この記事では、エクセルで自動売買の開発知識についてまとめました。自作が難しい方に向けて、エクセルでシステムトレードができる業者も紹介していきます。
エクセル(Excel)の自動売買における基礎知識
エクセルがトレーディングツールに変わる
トレーディングツールとは、FXや株式をトレードするツールのことで、一般的には取引するための管理画面を指します。
エクセルには表計算やグラフなどが基本操作として準備されていますが、VBAやマクロでプログラミングすることで、為替のチャートや株価情報、マーケットデータなど取引に必要とするデータを表示できます。
さらに、手動でデータを取得しなくても自動更新ができたり、リアルタイムで表示させたりも可能です。
一般的な自動売買ロボットさながらのシステムを取り込めるので、普段エクセルを利用している方は使い勝手が良いでしょう。
発注機能導入により株やFXの自動売買が可能
管理画面に併せて発注機能まで導入すれば、株やFXの自動売買が可能となります。
発注には資金が必要なので資金管理システムも必要になりますが、その他機能と同様にエクセルに取り込むことが可能です。
さらに、マーケット情報や為替のチャートからそのまま発注、注文・決済のルーティン化など、売買機能の応用もできます。
VBAで自作ができる
エクセルでシステムを自作するには、VBAというプログラミング言語を用います。
そもそもVBAとは、Microsoft officeのエクセルやアクセスなどのアプリケーションを拡張させるための言語です。
初期機能だけでは補えない自動化や動作の変更などを行えるので、自動売買をするためには必須となります。
また、似た機能を持つマクロがありますが、VBAと違ってプログラム言語ではありません。
あくまで関数やフィルターなどと同列の機能なので、自動化ができるものの、ループ処理や条件分岐などの細かな設定はVBAでプログラミングする必要があります。
ただし、データの記録や管理はマクロを用いる部分もあることから、基本的にはどちらのスキルも必要になると覚えておきましょう。
エクセルで自動売買開発に必要なテクニックと準備
前提として、自作へ取りかかる時は書籍を活用した方が良いです。
ネット上に作成マニュアルとしてコードや手順を記載している資料もありますが、情報が少なくVBA上級者じゃないと全てを理解するのは困難といえます。
特に、実際に運用する時は資金を使うので、誤作動を起こしたりシステムが不十分だったりすると、予期せぬ損失を抱えかねません。
間違いのない確実な自動売買を自作するためにも、Amazonや書店などで購入するようにしてください。
基本的なVBAの知識
自作するためには、VBAとマクロの知識・スキルが必要です。
とはいえ、プログラマーやエンジニアなど実務で使うほどの高いスキルは必要ありません。
あくまで自作するための知識さえ持ち合わせておけば良いので、エクセル自動売買を作成するための書籍さえあれば充分といえます。
特に、VBA自体が易しいプログラミング言語であることから、日常的にエクセルを使っていたり事務作業をしていたりする方は基礎知識さえ習得すれば戸惑うケースは少なく済むはずです。
マーケットライブデータの取得
マーケット情報は、Webデータから取得してリアルタイムでエクセルに反映させる方法が一般的です。
常に更新されるデータをいかに早く最新へとアップデートできるかが求められ、VBAで情報を取得かつ集計しつつ、チャートとして表示させていきます。
ただし、VBAは外部によるデータ取得になることから、処理するボリュームや記録が莫大になりすぎるとエクセルだけでなくPC自体が重くなる可能性が出てきます。
最悪では正常作動しなかったりフリーズしたりする恐れがあるので、マクロによる記憶処理の活用も検討しながらプログラムしていきましょう。
売買シグナルの表示
売買シグナルとは、テクニカル指標による分析を用いて最適な売買タイミングのシグナル(信号)を送ることです。
エクセルでも、売買ロジックとシグナル発信をVBAで組み合わせられるので、工夫すればセルを介せずに発注へと結びつけられます。
また、固定した任意セルにシグナルを置けば、監視ルーチンで拾うといったことも可能です。
この売買シグナルとロジックは、利益を出す仕組みとして特に重要となるので、なるべく多くの方法を比較してみましょう。
建玉保有状況と資産の一元管理
データの一元管理は、注文・決済時の資産確認と投資戦略の見直し・チェックに必要になります。
発注機能と組み合わせるのにはVBAを用いて、長期的に過去データを記憶するのにはマクロで行うなど工夫しなければなりません。
ただし、基本はVBAを使うことから、書籍の作成マニュアルによっては外部システムを活用してプログラムするケースもあります。
いずれにしても、データ取得から発注、管理機能の方法は作成マニュアルで若干異なるので、VBA初心者の方は基本に忠実に自作していく意識を持っておきましょう。
エクセルでシステムトレードができるおすすめ業者
マニュアルを活用して自作せずとも、外部業者を利用してエクセルに自動売買システムを取り込むことが可能です。
2業者ともRSSという技術を使っており、初心者でも簡単に自動売買がスタートできる機能が付いています。
それぞれ特徴が違うので、以下で詳しく解説します。
岡三RSS
岡三オンラインで口座開設し、一定条件を満たせば無料で使えるエクセル自動売買システムです。
主な特徴は、以下の通りです。
- 株式や日経225をリアルタイムでデータ取得可能
- マーケット情報のレイアウトが自由にカスタマイズできる
- 関数の入力で発注から保有情報の一元管理が全て可能
申し込みを済ませると、エクセル上に岡三RSSツールバーが表示されるので、後はマニュアルに沿って進めば注文の制御や銘柄表示などができます。
操作に慣れるまでは若干時間がかかるかもしれませんが、エクセルを普段から使っている方だと比較的簡単に操作できるでしょう。
利用開始までの手順は、以下の通りです。
- 岡三オンラインで無料口座開設
- 「取引ツールダウンロード」から「岡三RSS」を申し込む
- 申し込み完了後「起動/ダウンロード画面へ」をクリック
- ダウンロード画面表示後「ダウンロード」をクリック
- 岡三RSSエクセルアドインを追加
楽天証券のマーケットスピードⅡ RSS
楽天証券の口座開設で使える、エクセル専用の自動売買システムです。
主な特徴は、以下の通りです。
- リアルタイムで多彩なマーケット情報の取得と一元管理が可能
- RSSに関数を入力すれば思い通りのストラテジーが組める
- VBAやマクロと組み合わせることでトレードの幅を広げられる
ダウンロード後に専用RSSがエクセルに表示されるのは岡三RSSと同様ですが、楽天証券のRSSはオリジナルストラテジーが組みやすくなっています。
さらに、初心者でも簡単設定ができるサンプルシートが用意されているので、導入後すぐに運用できるメリットがあります。
利用開始するまでの流れは、以下の通りです。
- 楽天証券で無料口座開設
- 「マーケットスピードⅡのインストール」をクリック
- RSSのアドイン登録
- RSS利用同意書に同意
- RSS注文設定を済ませる
まとめ
エクセルで自動売買を自作するのはその他言語より比較的簡単ですが、機能面では若干劣るかもしれません。
事実、0からの開発ではなく既存のアプリケーションを拡張した自動売買に過ぎないので、稼ぐ仕組みを作りたいなら、その他言語を用いるか既存としてある実績の高いEAを入手した方が効率が良いです。
とはいえ、自作して発見できること、エクセルだからこそ使いやすいことだってあるでしょう。
どちらが良いかは本人次第なので、興味のある方は一度活用してみてください。