FXの自動売買で利益が出たのは嬉しい。
しかしそんな時に不安になるのが確定申告をする必要があるのかどうか。
確定申告はトレーダーの状況により、する必要がある場合とない場合が存在します。
今回は、どんな場合に確定申告を行う必要があるのか、確定申告をするメリットと合わせてご紹介していきます。
FXの利益は雑所得になる
みなさん、所得にはどんな種類があるかご存知でしょうか?
所得には、サラリーマンがもらう給与所得や不動産からの収入の不動産所得など10種類に分けられています。
その中でFXの利益は、雑所得という分類に当てはまります。
雑所得は、事業所得と同じように必要経費を引いて申告できます。
しかし事業所得と異なり、給与所得との損益通算ができないため、赤字が出た場合は所得税などの税金を抑えることができません。
確定申告が不要になる場合
原則的に、利益がでたら確定申告が必要です。
しかし次のような場合は確定申告が不要になります。
サラリーマン(①~③を全て満たす場合)
①給与所得が年間2000万以下
②1か所からの給与収入
③給与所得、退職所得以外の所得の合計金額が20万以下
専業主婦や扶養家族(①と②を満たす場合)
①FXによる利益が48万円以下
②FXによる利益とアルバイトなどの給与所得との合計金額が103万以下(※勤労学生控除が適応する学生の場合は、合計130万以下の場合)
確定申告をするのに必要なもの
確定申告の必要書類で、国税庁のHPからダウンロードが可能です。
・申告書B(第一表、第ニ表)
・申告書第三表
・先物取引に係る雑所得等の金額の計算明細書
・所得税の確定申告書付表(繰越控除を受ける際に必要)
また、必要書類の記入をスムーズに行うためにも、年間取引報告書と源泉徴収票を用意しておきましょう。
年間取引報告書は、FX会社のHPからダウンロードができます。
確定申告をするメリット
確定申告にするには、準備する物があるなど手間がかかり、行わない人もいます。
しかし、確定申告をすることにより様々なメリットがあります。
損益通算が受けられる
FXの取引で損失が出た場合、他の先物取引による雑所得の利益と損益通算が可能になります。
例えば、A社のFX取引で100万の利益、B社のFX取引で40万の損失が出たとします。
その場合、100万-40万=60万が課税対象となり、課税所得を小さくすることができます。
このように、あるFX会社で損失が出ても、他のFX会社での利益や先物・オプション取引で出た利益の額から差し引いて、課税所得を小さくすることができます。
しかし確定申告をしていない場合は、損益通算ができなくなります。
また雑所得でも「他の先物取引による雑所得」以外の利益は損益通算の対象にならないので注意が必要です。
例:仮想通貨や海外のFXなど
繰越控除が受けられる
繰越控除とは、確定させた損失を最大3年後まで繰り越すことができる制度です。
この制度を使用することで、損失を来年以降の利益と相殺することができます。
例えば、FXで昨年100万の損失が出て、今年に80万の利益が出たとします。
このような場合、100万円が繰越控除となります。
昨年と今年の利益と損失を相殺するため、80万-100万=-20万となり、今年80万の利益が出ているにも関わらず、課税がかからなくなります。
パソコンや通信費などを経費にできる
FXの自動売買で利益が出た場合、パソコンや通信費などを経費にして申告することができます。
そのため利益が出た場合、経費を計算することで課税所得が小さくなります。
経費の対象になる可能性のあるものは、家賃や光熱費、セミナー代などたくさんありますが、ここで気を付けておきたいのが過度に経費にすると税務署に怪しまれます。
経費にするのは、FXを行うにあたって合理的だと説明できる範囲にしてください。
また経費の計算には、領収書が必要なので、貰う癖をつけておきましょう。
確定申告をしないことによるデメリット
無申告加算税が課せられる
無申告加算税とは、確定申告を行わなかったり、期限通りに申告をしなかったりした時に課される税金のことです。
納税額により課される税金は異なり、納税額が50万までは15%、50万を超えると20%が課されます。
遅延税が課される
遅延税は、納付期限までに納めるべき税金を納めてない場合に払う税金のことです。
納税が遅れた分だけ遅延税が、加算されるので気をつけましょう。
損益通算や繰越控除が受けられない
確定申告をしていないと、損益通算や繰越控除が受けられなくなります。
FX自動売買は、投資なので損失が出る場合も勿論ありますよね。
損失がでた時のためにも確定申告はしておきましょう。
まとめ
いかがでしたか。
確定申告は、トレーダーの状況によりする必要がある場合とない場合が存在します。
しかし確定申告を行っておくと、繰越控除や損益通算が適応になる場合があり、メリットになります。
そのため、FX自動売買を行う人は、課税などを防ぐためにも、期日を守り確定申告をしておきましょう。