自動売買でトレードしていると、いつも含み損を抱えてしまい、自動売買が信用できなくなる人や、自分の使っている自動売買では勝てないのではないかと疑心暗鬼になってしまう人もいると思います。
そして不安に耐え切れず、損切したあとに、価格が上昇し、「損切しなきゃ良かった」と後悔する人もいるでしょう。
自動売買で含み損が出た時は、ひたすら耐えるべきなのか、損切した方がいいのか?
そして、どこまで耐えるべきなのか、どこから損切するべきなのか?
今回は、そんな悩みを解決できる内容となっています。
自動売買で含み損が出てしまう
トレードをおこなう以上、自動売買であっても、裁量トレードであっても、含み損は出ます。
エントリーした直後から価格が順行し、含み益しか出ないということは、ほぼありません。
多くの自動売買では、過去のチャートをもとにバックテストをおこない、その結果、優位性のあるポイントでエントリーするようにロジックが組まれているので、エントリー後に、しばらく含み損を抱えることも普通です。
結局のところ、自動売買はトータルでプラス収益になるようにプログラムされているため、多少の負けトレードや含み損は受け入れなければなりません。
なによりも、短期的ではなく長期的な目線で見守ることが自動売買で収益をあげるコツと言えるでしょう。
含み損が出たときの対処法
それでも、受け入れがたいマイナス金額や、長期間の含み損にさらされ続けるのは、メンタルヘルス的に良くありません。
そんなときに、どのように対処すればよいのか考えてみましょう。
まず、取るべき行動は以下の3つになるでしょう。
すぐに損切
なによりも一番手っ取り早い解決策になるでしょう。
しかし、「損切したあとに価格がプラスに転じたら、もったいないな。」と感じる人や、「いま損切したら、○万円も損するのは嫌だな。どうせ損切なら、もう少し価格が回復してから損切しよう」など考えてしまい、瞬時に損切できる人は多くありません。
ロット数や、許容損失額は人によって異なりますが、耐え難い含み損や長期間の含み損は、精神衛生上にも良くないので、不安で堪らない場合は、即座に自動売買を停止し損切しましょう。
追加入金
資金に余裕がある人は、追加入金をすることで証拠金維持率を高め、含み損を薄めることができます。
しかし、この方法は資金力のある人しか出来ず、残念ながら余裕資金がない人は別の方法を選択するしかありません。
ただ、この方法は自分の軍資金のマイナス率を薄めるだけなので、含み損を解消する直接的な方法ではありません。
いわば延命治療のようなものです。
静観する
相場はトレンドが延々と続くわけではなく、どこかで必ずトレンドが終了し、その後、保合い相場、もしくは反転します。
しかし、それがいつなのか、どの程度反転するのかは、誰にも分かりません。
それを信じて静観するのも一つの手段です。
なぜなら自動売買は、バックテストで検証し、裏付けのある結果をもとにエントリーし、利確をおこないます。
なので、今は耐えなければならない状況だとしても、いずれ好転することを信じてホールドし続けるのも良いでしょう。
損切の判断ポイント
自動売買をおこなう上で、含み損が生じることは理解したが、ずっとホールドし続けるべきなのか、どのラインになったら損切を考えるべきなのか?
その判断ポイントについてお話ししていきたいと思います。
まず、損切を実行するべきかどうかの判断ポイントは2つです。
使っている自動売買システム
あなたが使っている自動売買は、どういったロジックを使っているものか理解していますか?
その自動売買は、現在の相場に適しているものでしょうか?
もしも、自分の使っている自動売買を、あまり理解していなかったり、現在の相場に適していないロジックを使っている場合、きちんと見直し、理解を深めましょう。
よく分からずに、ナンピン系のロジックを使っている場合もあります。
ナンピン系の場合、単純に言うと、現在のトレンドが逆転したときに初めて利益につながります。
それも大きな利益になります。
しかし、トレンドが逆転しなければ、ずっと含み損を抱えた状態が続きます。
なので「大きな利益が取れる」という甘言やレビューに誘われて、ナンピン系のロジックを使わされている場合もあります。
そして自動売買でトレードする人は、裁量トレードに弱いトレーダーが多いので、裁量トレードを少しでも勉強することで、損切時期の判断ができるようになります。
そうすることで、自分でも「今が損切のタイミングだな」と瞬時に判断できるようになるはずです。
証拠金維持率
軍資金の大小に関係なく、証拠金維持率の2~5%くらいまでが、一般的な損切ラインになります。
100万円の軍資金でトレードするなら、許容していい損失は2万円~5万円ということになります。
なので、100万円トレードの場合、含み損が5万になった時点で損切を考える、もしくは実行した方が良いでしょう。
含み損で不安にならない方法
とはいえ、トレーダーも人間ですから、含み損が出ると落ち着きませんし、不安・心配が続くものです。
しかし、含み損を抱えていても、不安を解消する方法はあります。
含み損の不安から解放されたければ、以下の3つに挙げた行動を試してみましょう。
余裕資金で投資する
まず、無くなっても大丈夫な金額でしかトレードしないことです。
実際は、無くなっても平気なお金など存在しませんが、生活を圧迫するような金額は使わないようにしましょう。
自動売買とはいっても、相場に100%は存在しないため、必ず損失のリスクを含みます。
「絶対儲けよう!」、「あの時の損失を取り戻そう!」と躍起にならないことも重要です。
こまめにチャートを確認しない
冒頭でも述べましたが、エントリー後に、しばらく含み損が続くことは当たり前のように起きます。
まず、そのことをしっかり理解しましょう。
そして、頻繁にチャートをチェックするのは良くありません。
いたずらに恐怖や不安を煽るだけで、エントリー後に、あなたにできることは何もありません。
また、含み益になっていたとしても、「この含み益が減るのは嫌だ」、「ここが天井かも知れない」などと、違った形の不安も出てきて、チキン利確をしてしまうことにも繋がります。
損切設定をする
自動売買に任せっきりにするのではなく、きちんと自分で損切ラインを設定することが一番の解決策でしょう。
エントリーポイントから、「いくら逆行したら損切」、「何pips逆行したら損切」や「証拠金維持率の何%に達したら損切」という風に、しっかりと損切ラインを設定しておきましょう。
そうすれば、含み益が出ていたとしても、それほど不安になることはありませんし、頻繁にチャートをチェックするクセも無くなります。
ふとチャートを開いたときに「あれ、損切されてる。残念だな」程度にしか感じなくなります。
おわりに
含み損を抱えることは悪いことではありません。
自動売買での含み益は、一時的なものがほとんどです。
ただし、自分で使っているロジックは、相場状況や自分の求めたトレードスタイルに合っているかどうかが重要です。
そもそも、ロジックを理解していれば、含み損に対しても納得・理解が及ぶはずです。
しかしFX未経験者などの多くは、SNSの広告・情報に踊らされて、とんでもないロジックの自動売買をつかまされている場合があります。
きちんとバックテストを自分でおこないましょう。
また、程度にもよりますが、含み損を抱えて不安になるのは、含み損に対しての耐性が無いからです。
不安を抱えないためには、含み損に対する「慣れ」も必要です。